01
原料はエメラルドブルーに輝く海水
sio-title-top
salt_new_detail_s

珊瑚礁の海から直接つくる、美しいお塩

山から注ぎこむ養分と海流が運んできた栄養が混じり合い、美しい珊瑚礁に彩られた名蔵湾。その海水を手づくりポンプで汲み上げ、3日間炊いてつくったお塩です。

自然そのままを材料に、足し引きせずにつくるお塩なので、甘くてまろやかな味はその時々で少しずつ変化します。食卓にそのまま置いても使いやすく、ギフトにもぴったりな小箱に納めました。

生産者:株式会社石垣の塩 × デザイナー:IDEA N DESIGN
販売場所:石垣の塩工房
住所:沖縄県石垣市新川1145-57


このお土産のストーリーを読む

目の前は絶景広がる名蔵湾

石垣島の西部。名蔵湾を見渡しながら海岸に沿って車を走らせると、煙突の先から青空へと吸い込まれていく、モクモクとした白いけむりが見えました。そこは「石垣の塩」の塩工場。海塩を使った昔ながらのお塩づくりをしている会社です。

到着するなり通してくれたのは、青空の下の「会議室」。まるでトトロの森のトンネルのような回廊をくぐり抜けると、エメラルドグリーンの海と白い砂浜を背景にした絶景の応接間が。

「向こうに海の色が変わってる辺りがあるでしょ?あのサンゴ礁の境目辺りから海水を汲み上げています」。そう説明しながら、東郷得秀さんは塩づくりへの熱い想いを語ってくれました。

num1
056IMG_3092_00079

006IMG_3021_00008

num2
015IMG_3030_00017

サンゴの海が作るまろやかな塩

石垣島では最近まで、あちこちの家庭でお塩づくりが行われていたといいます。東郷さんはオジイ・オバアの塩づくりを習いに行き、海水100%を使う伝統的な塩づくりを現代の技法で再現しました。

沖合1.5キロから取水パイプを使ってくみあげた海水を大きな釜にうつして3日間、じっくりと焚きます。沸騰させない低温で煮詰めることによってカルシウムなどのミネラルが崩壊せず、栄養分を豊富に含んだままのお塩ができるのだとか。そうしてできたウェットタイプの低温乾燥塩は、粒子が均一できめが細かく、キッチン用として大活躍。

それにさらに手を加え、から煎りして湿気を飛ばしたドライタイプの焼き塩は、テーブル用として手軽に使えます。天ぷらや豆腐、サラダにパパッとかけるとシンプルな味付けで、素材の味を生かした料理が完成。

カルシウムが多いため、甘みがあってとってもまろやか。これぞ、豊富なカルシウムを包含する「サンゴの海」のなせる業なのです。


num3
105IMG_3152_00139

122IMG_3176_00162

月の満ち欠けでも変化する塩の味

東郷さんが、工場内の2つの釜にできたてホカホカの塩を見せてくれました。美しく整った白い結晶。でもこっちの釜とこっちの釜ではなんだか形が違う・・・まったく同じ製法で作っても、微妙に違うものができるのだとか。

「自然のものでお塩づくりをしているので、味も形もそのときによって変わるんです。たとえば月の満ち欠けによっても変わりますし、そのときの海の状態でも変わってきます。お塩づくりは野菜を育てるのと一緒ですよ。何かを引いたり加えたりしない、その時その時の自然の味の変化も楽しんで下さいね」。


num4
008IMG_3023_00010

豊かなサンゴを育む海が、塩づくりの舞台

1997年に塩の販売が自由化されたのを機に、東郷さんたち5人の創業メンバーは名蔵湾沿岸に塩工場を設立します。

「いろいろ候補地はあったんですが、ここに潜ったときに見たこともない大きなテーブル珊瑚がたくさん自生していたりして、飛び抜けてサンゴが元気だったんです。安心・安全をうたうお塩づくりに恥じない環境だと確信しました」。


名蔵湾沖は世界有数の多様で豊かなサンゴを育む海域として、最南端の国立公園に指定されています。
湾の森と海が調和する河口にはマングローブが生い茂り、貴重な動植物が生息する湿地としてラムサール条約にも登録されています。そんな生き物たちの楽園にたたずむ塩工場。

「国立公園登録よりも塩工場の方が先だったのでここで続けられているんです・・・」そういたずらっぽく笑いながら、工場の前の海を案内してくれました。

塩づくりにはあまり類を見ない絶好のロケーションです。

050IMG_3085_00072

num5
028IMG_3052_00039

山と海が助け合い、豊かな自然を作りだす

石垣島の真ん中には県内最高峰の山「於茂登(おもと)岳」がそびえ立ちます。古来より、「神々が降臨する聖地」として崇められ、島人はその山や森の恵みからさまざまな恩恵を受けてきました。東郷さんによると、海の恵みの出発地である山が豊かなことも、美しい海のポイントだといいます。

20年ほど前、オニヒトデの大量発生の影響で海が死にかけていた時があったそう。サンゴが食べつくされ、魚も減り、海は壊滅的な被害を受け、回復は絶望視されていました。ところがそんな心配もどこ吹く風・・・翌年には死んでしまったはずの海がみるみるうちに回復したのだとか。

「海というのは豊かな山がある限り、必ず生き返るんです。山や森からはミネラルたっぷりの水が湾へと流れ、サンゴの海へと栄養を届ける。山と海、自然というのは連動しているので、島全体の自然豊かな環境あってこそのおいしいお塩づくりなんですよ」。


海からの贈り物は、「カラダの源」

太古の時代、あらゆる生命体は海から誕生し、わたしたち人間は進化の過程で陸へと上陸したといわれています。

「人は体の中に海を入れるのに成功したんです」————東郷さんはそう話しながら、人間にとって塩がいかに大切なものなのかを説明してくれました。

そんな彼が今危惧していること、それは食の劣化。

「忙しさのあまり生活にゆとりがなくなり、外食も増え、自分の食べてるものすら何が入っているのか気にしない人も多くなっています。キッチンに立って料理する人も減ってきて、代々家庭で継承されてきた味が失われつつある。ひいては自分の価値観やプライドを失うことになるのではと思うんです」。

num6
147IMG_3202_00188

109IMG_3159_00146

そうした一抹の不安とともに、東郷さんは塩づくりに一筋の光も見いだします。

「もう一度生きてる源っていうんですかね・・・原点に立ち戻るきっかけとして、一番シンプルな調味料でもあるお塩を通して何かできないかな〜というのが今の悩みであり、お塩づくりの上での挑戦でもあるんです」。

わたしたちの大切なカラダの源———お塩。
石垣島の豊かな海や山が長い時間をかけて育み、贈り届けてくれたこの海のお塩が、忘れかけていた大事なことをそっと気付かせてくれました。