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集落の庭からおばあが手摘み
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島ハーブティー

4種類の香りとミニチュアの景色に癒される

おじぃ・おばぁの生活の知恵である薬草茶は、昔から体調を整えるために島内で飲まれてきました。「庭のハーブティー」は、今なお豊かな自然と共生する白保村の庭で摘まれた薬草を煎じています。月桃・グァバ・カンバラ・ミナガ、4種の元気の素を、それぞれ家型の小箱にいれてみました。ゆったり時間が流れる村の景色を楽しみ、お茶の香りに癒されてください。

生産者:白保日曜市 × デザイナー:平野達郎
販売場所:白保日曜市
住所:沖縄県石垣市字白保118


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日曜市で生まれた「島ハーブティー」

ある晴れた日曜の朝に開かれた白保日曜市。観光客らしき若い女性2人組が、興味津々な表情で覗き込んでいるブースがありました。そこに並べられていた商品は、4種の島ハーブティー。小さな文字で控えめに書かれたそのお茶たちの説明書きには、「カンバラ」「みなが」・・・となにやら見慣れない文字が並んでいます。

このお茶を商品化したのが、白保村にあるWWFサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」で毎週開かれている白保日曜市の商品開発チームの皆さん。

白保日曜市は、「自然やサンゴ礁文化をうまく利用した島の暮らし」を後世に伝えようと2005年にスタートした、いわゆる「何でも市」。作り手がそれぞれ野菜やお惣菜、民具や工芸品などの手づくりの品を持ち寄って「おすそわけ」感覚で売る、とってもローカルな地産地消の場。そんな日曜市で人気を集める島ハーブティーには、ある思いが込められていました。

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おじぃ・おばぁの知恵をパックに詰めて

現在「しらほサンゴ村」の職員で、日曜市の世話役をつとめる柳田さんは、この島のゆったりとした空気と環境の良さに魅せられて、13年前に一家で移住してきました。当初から村のさまざまなことに興味を抱き、地域活動にも少しずつ参加するようになりました。

「サンゴ村のセンター長が、地元の自然を守っていくためには遠回りだけど地元の人が主体となる村づくりからやっていこう!って考えの方で、さまざまな地域活動が始まったんです」。

その一環で開かれたのが「郷土料理研究会」。
村のおじぃ(おじちゃん)・おばぁ(おばちゃん)に地元に伝わる料理やお茶を習うアットホームな料理教室でした。柳田さんはそこで、野草として生えている島ハーブを摘んで飲み、身体を整える村の人の生活の知恵に触れます。その後、サンゴ村で開かれるようになった日曜市のコンセプトが「おじぃ・おばぁの手わざや知恵」だったこともあり、この島ハーブをお茶にして販売することに。

「90歳にもなる高齢の方たちが健康茶として日頃飲んでいるものなので、いいものなんだろうと思って。若い人や遠方の方にも手軽に飲んでほしいという思いから、ティーバックに入れて商品化したんです」

村で採れた島ハーブを洗浄して数日乾燥させ、粉砕器にかけた茶葉を計量器でひとパック分ずつ計りながら、スプーンでパックに詰める。この作業はすべて丁寧な手作業で行われています。


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素材はあちこちの家の庭先から

お茶の収穫場所を案内してくれた柳田さん。到着した場所はなんと、村内の空き地や民家でした。

「ここにグアバの木があって、この下に生えてるのがヨモギです」

なんでも、畑のような栽培地はなく、素材はすべて村内の庭先から調達。「○○さんちのグアバ」、「○○さんちのオオイタビカズラ」・・・と、それぞれの家の人から了承を得たいわゆる「庭先」が、ここのお茶の産地になっているのです。

庭先に生えているものなので、もちろん化学肥料や農薬などは一切使用しない。まさにハーブの宝庫、石垣島ならではの特性が生かされています。そして茶葉の収穫・カットは地元のおばぁが担当。村内でのちょっとした雇用創出にもつながっていました。

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集落をあげて自然に優しいサイクルを

白保では集落の人たちが団結して「白保魚湧く海保全協議会」を設立し、サンゴ礁や地域資源を守り育てるさまざまな取り組みを行っています。その活動の中で、土壌流出を防いでくれるショウガ科の在来植物「月桃(げっとう)」を畑に植える「グリーンベルト大作戦」を実施。サンゴ礁に悪影響を及ぼす海への赤土流出を防いでいます。

防腐・抗菌・防虫効果がある薬草としてその葉で餅を包んだり、実を部屋の四隅に下げて虫除けに使ったり、種は香辛料にするなどして活用されてきた月桃。「お茶にする風習もあったので、せっかくだからそのとき植えたものを使いましょうということになって・・・」成長した月桃の葉も茶葉として販売されるようになりました。

商品が売れると協力農家さんからの原料買い取りも増え、会の活動資金にもなるシステム。村の中で伝統を受け継ぎながら地域の自然を守り育てる、よりよい循環のカタチが生まれていました。


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薬草として親しまれてきた島ハーブティー

上品な香りとスッキリした味わいで、口に含んだ後は爽快感が続く月桃茶。ポリフェノールやミネラルを豊富に含むため、「アンチエイジング効果がある」と女性にも大人気です。一方、ほうじ茶のような深い味わいを持つグアバ茶の茶葉には血糖値の上昇を抑える作用があるといわれ、昔から島のおじぃの間では好んで飲まれてきました。

南米産ランタナの仲間・カンバラ茶はミントのような爽やかな香りと南方系の独特な口当たりで、万病によいとも言われています。
そして、白保の方言で「庭」を意味する「みなが」の名の通り、庭にある薬草を集めたみなが茶には、月桃・グアバ・カンバラ・ヨモギ・オオイタビカズラといったさまざまな茶葉が入っています。これらの薬草にはさまざまな薬効のうえに「くだす=悪いものを排出する」作用があるといわれ、年齢を問わず好んで飲まれてきました。

島の「元気の素」をふたたび

この4種のお茶は健康茶として培われてきた島ハーブティーですが、この地域では屋号でお茶の名前ができるほど、家々によって多種多様なお茶が飲まれてきたそうです。

「せっかくのいい文化を、もっと多くの人に知ってもらいたくて。」

「地元の若い人にこそこうした文化を知ってもらい、受け継いでいってほしいと思っているんです。そして、おばぁ達が身体にいいからと昔から飲んできたものを、おばぁの知恵を、さらに遠くの皆さんにも伝えられたらなと思っています」と、柔らかい口調に一瞬力が入ります。その場に居合わせた村のおばぁも、「こういうお茶なんか当たり前に飲むものだったけど、それを発掘したのがこの人よ〜」と感心したようす。

自然と調和のとれた島の暮らしの中で受け継がれて来た島ハーブティー。小さな島の小さな村の庭先から、島の「元気の素(もと)」をお届けします。

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