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玄人好みの常圧蒸留で仕上げました
琉球泡盛「月虹」
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「幸運」を意味する泡盛の力強いコクと旨味

真っ暗な夜闇の中でしか見られないという、月の光が作り出す幻想的な虹「月虹(げっこう)」。見た人に幸福をもたらす虹の名を冠し、月の満ち欠けがデザインされた「請福月虹」は、昭和24年に創業した老舗・請福酒造が打ち出す新定番。沖縄県内最高峰である石垣島・於茂登山の湧き水と、黒麹菌を使ったこだわりの泡盛は力強いコクと旨味が特徴です。

生産者:請福酒造有限会社 × デザイナー:羽室吉隆
販売場所:請福酒造 売店
住所:沖縄県石垣市宮良959


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幸せ届ける「月虹」が泡盛に

月の淡い光で現れる幻想的な夜の虹、「月虹(げっこう)」。この神秘なかけはしを見た者には「幸せが訪れる」といわれ、石垣島でも幸福の象徴とされています。

そんな福のあるネーミングを持つ泡盛が、このほど石垣島内の請福酒造から誕生。昨年試作品として出した6000本が3カ月も経たないうちに島内で完売してしまうなど、話題を集めた商品です。

酒造所の扉を開けた瞬間ただよう泡盛の独特な香り。その香りに包まれながら2階に上がると、泡盛造りに使われてきた道具や酒器、創業当時の古いラベルやボトルなどの貴重な資料が展示された博物館があります。その隣には「漢那蒸留所」が併設され、洗米からもろみ造り、木製の直火釜蒸留までの古式完全手造りの泡盛造りを見ることができます。

この酒造所から造られる神秘の泡盛「月虹」の素顔に迫りました。


玄人好みのクセを再現

一昔前までは、「きつくて臭くて特殊なお酒」と言われていた泡盛。
近年は全体的にくせを無くし、女性や焼酎が苦手な人にでも飲みやすいタイプの軽くてフルーティーなものが増え、幅広い人に好んで飲まれています。

そのクセを決める大きなポイントが、蒸留法。それまでの常圧蒸留とは違い、低い温度で沸騰させる減圧蒸留では揮発成分が少ないため、酒質が軽く、クセがなくさっぱりした味に仕上がります。この減圧蒸留法を業界で初めて行ったのが、まさに請福酒造。発売後まもなくヒット商品となり、県内で話題を集めました。

その流れに逆行し、このほど常圧蒸留により誕生した月虹。昔ながらの個性的なクセや力強さに加えて、進化を遂げた泡盛のまろやかな風味も生かされています。

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いくつかの水源から組み合わせて

泡盛はタイ米と黒麹を用いた米麹のみで仕込まれるのが特徴。

蒸したタイ米に真っ黒な黒麹菌を植え付け、温度と湿度の管理を行いながら麹造りを行います。その後、仕込み、もろみ管理、蒸留・・・と昼夜休むことなく1カ月近くかけてようやくできあがる泡盛。酒造りとは、生き物である麹菌の様子をうかがいながら、丹念な作業の下で行われていくのです。

そして味の重要な決め手の1つとなるのは水。請福酒造では、於茂登山のたたえた水源・数カ所の井戸から汲み出して使用。軟水と硬水を織り混ぜ、さまざまな水を組み合わせることで理想の水をつくりだします。

「泡盛は70%が水で、30%がアルコール、そして1%も満たない成分が味を決めています。水の組み合わせも科学では説明できないけれど、こんな味になるなという感じが分かるんです」と社長の漢那さん。

ウマミの秘訣は、やはり感覚が生み出す職人技でした。

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受け継がれる酒造りへの情熱

請福酒造は昭和24年、漢那憲福・文江夫妻により創業。当時酒造りのイロハを教えてくれる人がいなかったため、子どもたちを祖母に預け、県外の焼酎酒屋と味噌屋へ研修へと出掛けました。それが功を奏し、他の酒屋が教えを請うほどの麹造り名人として、県内でも名を馳せたといいます。

後を継いだ憲仁さんもとにかく研究熱心。朝から晩までお酒の味の研究や開発に余念がなく、何はおいても酒造りを優先。とある冬の寒い日、家中の暖房器具を工場に持ち込む憲仁さんに妻の惠子さんが抗議すると、「人は毛布をかぶって寝れば死なんが、麹が寒さで死んだらどうするんだ?」と言ったほど。そんな彼の研究が実を結び、次々とヒット商品の開発に成功します。

「人の求める美味しさには限りがないから、酒造りにも終わりがない」————それが酒造りへの一貫した姿勢でした。

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先代の影響も受けながら、3代目となる憲隆さんは梅酒や珈琲リキュールなどの新しい味や他業種とのコラボ商品を次々に展開。これまで泡盛を敬遠していた人たちをもファンに取り込み、新たな泡盛の魅力を発信し続けています。そんな中、昔ながらの泡盛のクセやコクを求める玄人向けの商品「月虹」を開発。

父から受け継いだ「限りのないウマミへの追究」は、尽きることがありません。


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石垣島はバラエティ豊かな「サラダボウル」

石垣島で生まれ育ち、中学から県外に進学して幅広い視野を身につけてきた憲隆さん。石垣島の魅力は、何といっても島の人の「多様性」だと言います。

石垣島は昔から強制移住や開拓移民など、他地域からの移住が頻繁に行われて村々が成り立ってきました。民俗学的にもそのミックスされた習俗・祭祀などが特殊な様相を呈していると、国内外からの研究者が絶えません。

現代の島社会も、実は一緒。全国各地から、島に惚れ込んで移住して来た人、流れついてそのまま居着いてしまった人など、他県に限らず世界中からの移住者がいて、多様な文化が入り混じっています。

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「石垣島は今も昔も移住者で成り立った島。だからこそ色んな人がいて、意見がたくさんあり、それを認めてくれる。石垣島にこれだけ多くの人が移住するのも、制約がなくのびのびとできる、住みやすい場所だからなんですよね」と、憲隆さんは島への愛着を覗かせます。

主義主張がたくさんあるのが当たり前。だからといって、祭りや芸能などでまとまろうと思ったら一致団結するし、「いい意味でしばりがない」のだとか。

「そういう意味でも、島には可能性はたくさんあると思うんです。島外からもどんどん住み着いてほしいですし、島がどんどん発展していってほしいですよね」

このウェルカム精神が、月虹誕生のきっかけになりました。


多様なニーズに応えるべく生まれた「月虹」

「お神酒あがらぬ神はなし」といわれるように、古くから神々にとっても酒は貴重なもの。最高の神饌として、神前には必ずといっていいほど供えられてきました。

実は、神前に供える酒でさえも白い濁酒や澄んだ泡盛などさまざまな種類を用いる石垣島。もしかするとここ石垣島では、神々でさえさまざまな好みを持っているのかもしれません。

神も人も、さまざまなタイプがいるからこそ、その多様な好みに対応できるよう取り揃えたい、最上の嗜好品であるお酒。玄人向けに誕生した月虹は、すでに島の泡盛通をうならせています。

幸せを運んでくれるという「月虹」。
その名を冠して生まれたこの泡盛は、人を呼び、人をつなぎ、また明日への活力を生み出してくれる、いわば神秘のかけはしなのです。

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