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石垣島と一体化! 石になりきるかくれんぼの旅

  • 自分で作る
  • 混ざる
  • 探し歩く
  • 石垣島の自然と一体化してかくれんぼする、究極の自然体感ツアー。石垣島の石やサンゴを模した隠れ蓑(かくれみの)を自作して島に乗り込み、風景に溶け込みながらいろいろな場所で記念写真を撮影します。
    一見、突飛な旅プランだと思うかもしれませんが、石垣島には人間が石になったという伝承が残る有名なスポット『アイナマ石』や『野底マーペー』があるのです。僕の目標は、化けるのではなくて、成りきること。さて、あなたならどんな場所で「石」になりますか?

    この旅の旅デザイナー:永尾 純一

    ゲームプランナー、ディレクターとして大手ゲーム会社に勤務。現在は山椒Studiosという会社を立ち上げ、モバイル向けゲームを開発中。旅プランも含め、企画と名の付くものなら何でも大好き。ゲーム制作の技術をゲームのみならず、様々なモノ、体験作りに活用していきたい。

    島の魅力を再発見する旅のプラン

    DAY 01:
    石垣空港着 ー 昼食ー ロケハンー デイリーポータルZ編集部の皆さんと合流
    DAY 02:
    朝食ー市街の石垣でかくれんぼー 昼食 ー 観光名所でかくれんぼ ー夕食
    DAY 03:
    朝食 ー石垣の海でかくれんぼ ーハトナイト@石垣島
    DAY 04:
    朝食 ーアイナマ石でかくれんぼ ー野底マーペーでかくれんぼ ー石垣空港 発

    DAY01

    石垣島を見て、触れて、観察する

    島内をぐるり散策

    石垣島初日。乗り継ぎで到着した那覇の降雨量に軽く絶望したものの、石垣島に着いたら雨が上がり、晴れ間が広がっていました。飛行機で隣の席に座っていた、自称『晴れ女』の女子大生に感謝せねば!

    初日はまずロケハンに充てることに。空港から反時計回りに石垣島を一周し、石になれそうな場所をひたすら探しました。

    しかし石垣島の広さ、むき出しの自然を甘く見ていたことに猛省…。ペーパードライバーな僕は車の運転ができなかったため、USIO東京チームの実本さんの運転を頼りに島内を散策しました。

    撮影スポットを求めて

    観光名所をいくつか回るも、想像していたより露出した岩場が少ないことに気付きました。「海沿いか、山の上辺りが狙い目か?」と、イメージを膨らませながら進んでいきます。

    川平湾、御神崎灯台はいい写真が撮れそうだと見込み、明日は同行スタッフと共にここで撮影することを決定!一度も隠れ蓑を取り出すことのないアバウトなロケハンでしたが、初日から石垣島をぐるりと一周する充実っぷりでこの日の予定は終了しました。
    あとは隠れ蓑の模様が石垣島の風景にマッチすることを祈るのみです。

    石垣島の民家で飲み会

    夜はUSIO石垣チームの翁長さんのお宅にお邪魔して、大所帯の飲み会に参加させていただきました。偶然出会った自転車で日本1周中の若者を含め、まるで友達の家に遊びにきたような雰囲気で、美味しいお酒と料理と会話に酔いしれました。
    気付けば夜も更けてきたためお開きに。快く迎え入れてくれたご家族には感謝感激!初日から素敵な石垣島の思い出ができました。

    さて、明日はいきなり旅の大詰め。気合いを入れて、頑張ろうと思います。

    DAY02

    撮影当日。どれほど石になりきれるか?

    隠れ蓑の元ネタで撮影

    USIO Design Project のゲスト審査員として参加していたデイリーポータルZの林さん主催のイベント『ハトナイト in 石垣島』が同時期に開催されていたこともあり、編集部の皆さんと一緒に写真撮影ツアーへ。
    まずは隠れ蓑を制作する時に、USIO石垣チームの翁長さんに素材写真の撮影をお願いした石垣島の石垣がある場所へ聖地巡礼。「これは馴染むぞ!」「むしろ同じだ!(当たり前だ)」と言わんばかりに、石垣と一体化しました。レンズ通すと、隠れ蓑が思ったよりも石に見えてひと安心…。

    (ちなみに今回の布のプリントはcoromozaさんにお願いしました。)

    続いて、各所で石になる

    その後、真栄里ビーチ、御神崎灯台、川平湾と昨日のロケハンの順番を逆に巡りながら観光名所で次々と石になっていきます。

    内側から布を摘んでデコボコをつけたり、布の端っこを巻き込んで処理したり、平らな石になるには土下座が最適だと気付くなど、早くもこの頃には石に化ける技術が熟練の域に達していたように思います。
    奇麗な石になるコツは、布の端っこをしっかり内側にしまい込むことと、頭の形が出ないよう額を大地に擦り付けることです。

    撮影の終盤では風景を見た瞬間に「この場所ならこっちの布だな(隠れ蓑は全3枚作成しました)」と判断できるように。さながら熟練キャディさんが最適なゴルフクラブを選び出すかのごとく、スムーズな石化技術が身についていました。

    デイリーポータルZの皆さんのおもしろ写真へのこだわりのおかげで取れ高もバッチリ。無事に撮影初日を終えることができました。
    明日は隠れ蓑の模様をチェンジして、最大の難所である海の底を目指します。

    DAY03

    石垣島の海へ。果たして撮影は成功するのか

    隠れ蓑を抱え、いざ出航

    隠れ蓑最後の1枚、「珊瑚礁柄の布」を活用すべく、石垣島のダイビングショップ『Breeze石垣島』さんのダイビングツアーに参加。こちらの店長さんには今回の旅プラン実現にあたり、珊瑚礁写真の提供をはじめ、様々なご協力をいただきました。
    この日もどうにか曇りから晴れのお天気で、事前の予報に比べれば圧倒的なダイビング日和。デイリーポータルZの皆さんと一緒に、隠れ蓑を抱えて出航しました。

    ダイビングに挑戦する前にまずはシュノーケリングを体験することに。講習を受け、海へ入ります。20年ぶりぐらいに浸かる海は、透明にもほどがあるほど透き通った青色でした。

    当初はシュノーケリングで海底まで潜っていって布を被る予定でしたが、想像以上の水深と、大きい布を持ったままの潜水はどう考えても不可能だと弱気になり、浮き輪に捕まりながらただプカプカと浮いていました。その間、スタッフの皆さんは『ハトナイト in 石垣島』用に持参されていたハトマスクを被って水中を泳ぐハト写真を撮りまくり。海の男たちは凄い。

    不安を残したまま、いよいよダイビングポイントへと移動することに。果たして無事に珊瑚礁になりきることはできるのか。

    隠れ蓑を持って、水中へダイブ!

    ダイビングポイントに到着するや、酸素ボンベやレギュレーターなどの装備を着用し、呼吸方法などのレクチャーを受けました。その後、心の準備もそこそこに隠れ蓑を小脇に抱えてダイビングすることに。ボンベを背負って海中に足を踏み出すと、そこには非常に美しい珊瑚礁と共に、呼吸のできない世界が広がっていました。

    ガイドさんのロープははるか海底へと続いているにも関わらず、肝心の僕は緊張しすぎて呼吸早くなったり、マスクに水が入ったりと軽いパニックに。お恥ずかしい有り様ではありましたが、店長さんの懸命のサポートに助けられ、どうにかロープを伝って海底に降りることに成功!

    珊瑚礁柄の布を取り出して全身に被ると、あとはひたすら海底にへばりついて深呼吸。じっと珊瑚になっている僕を、バシバシ写真に撮っていただきました。本人に実感はありませんでしたが、写真を見るとなかなかの馴染み具合。文字通り死ぬ思いでしたが、どうにか石垣島の海と一体化することができました。

    撮影完了後、まだ時間があったのでポイントを移動して二本目のダイブをすることに。今度はどうやっても沈まず浮いてしまうという事態に見舞われ、勝手に浮上しては引っぱり降ろしてもらうというお荷物っぷり。
    「水中には空気がないけど、会話できないので空気読んでね」
    という店長さんのナイス助言は活かせずじまい。

    「肺の中の酸素が浮力を生む」という仕組みを教わり、しっかり息を吐くことを心掛けることで、ようやく海底で動けるようになりました。しばしの間、石になるという目的も忘れて美しい魚や珊瑚の織りなす景色を堪能。

    石垣島の海は本当に素晴らしい!
    丸一日、僕たちに付き合ってくれた店長さんに感謝です!

    あとは明日、「石になった伝説」が残る場所を訪問するのみ。
    夜に開催された「ハトナイト」で簡単な企画紹介と石になる実演をさせていただいた後、さすがに疲れたので宿に戻るなり泥のように、もとい、石のように眠りにつきました。

    DAY04

    最後の変化。伝説の石を巡る

    名所『アイナマ石』へ

    地元で人気の『とうふの比嘉』さんのやさしすぎる朝食で1日をスタート。中でもゆし豆腐そばは、やさしさマシマシ。コストが最強なお年寄りセットにも大満足!
    昼前からUSIO東京チームの実本さんと一緒に島をぐるりと回りつつ、これまで行けていなかった石垣島の北部へ。この数日で石垣島を二周半ぐらいしました。

    まずは石になった女性の伝説が残る『アイナマ石』を訪問。今回の旅は決してふざけているわけではなく、石垣島のよりよい発展に尽力するためのものなのですよとご報告することが目的です。

    アイナマ石は石垣島北部の山中にひっそりと佇んでいました。
    案内板も小さく、うっかりすると見落としそうなぐらいのスポット。意に染まぬ結婚のために故郷を出た花嫁が、嫁入りの途中に姿を消して石になった…。そんなもの悲しいエピソードには、昔の婚姻の風習や、石垣島の集落同士の行き来が非常に不便だった時代の情景が忍ばれます。
    そっとアイナマ石の隣にうずくまり、僕も石へと変化。石になりながら、花嫁さんの心が故郷に戻れていることをお祈りしました。

    次に『野底マーペー』へ

    『アイナマ石』を後にして、次は『野底マーペー』へ。
    前日の雨でぬかるんでいる山道を登って、山の頂上へ向かいます。これはどう考えてもハイキングではなく、時間短めのトレッキング!
    山頂は非常に見晴らしがよく、これまであちこち駆けずり回った石垣島が一望できました。なんだか感無量。

    ここは、恋人を故郷の黒島に残して移住させられた娘が遥か海の彼方に故郷を臨みながら石になってしまったという伝承が残る場所。移住や入植といった歴史には、数々の苦難と別れが付きまとうものです。
    今の石垣島の礎となった人々の苦労が、その島の名前通りにたくさんの石の中に残っているように思えます。

    風に飛ばされないように身を低くして、体を石に密着させながら布にくるまって石化していると、厳しい雨風を耐え忍んできた『野底マーペー』の一部になったような不思議な感覚を覚えました。
    4日目にして、ようやく本当に石垣島の石になれたような気がします。

    石と一体化するの旅も終了。しばしの寄り道

    最後の目的を終え、石垣島での石になる旅はひとまず終了しました。その後は、竹富島へ寄り道して、少しの休暇を楽しむことに。石垣島とはまたひと味違った魅力のある島でした。

    石垣島に戻ったら、『ユーグレナモール』でお買い物。仕事を休んで石垣島へ来たことの罪滅ぼしとなればと思い、お土産物をたっぷり購入。その後、お世話になったデイリーポータルZの皆さまにご挨拶したり、石垣島市役所の方に隠れ蓑をお渡しさせていただいたり…。旅の締めくくりの記念撮影は、とても大切な思い出になりました。

    旅を終えて

    思い付きから始まった今回の旅。多くの方々のご協力の元、どうにか想像に近い写真を撮ることができました。

    遊びながら学ぶ、楽しませて興味を持たせるというのはゲームの得意分野。ただ、それを現実に影響を及ぼせるものとして実際に実行するという今回の旅プランは、個人的にも非常に意義深いものでした。

    ちなみに、帰りの便で関西の気温が1度だと知らされた時、全乗客の肩が落ちたのが面白かったです。
    この経験を活かし、「石」のようにどっしり構えつつ、寒さや眠さに負けない強い「意志」を奮い起こして、これから頑張っていきたいと思います。

    永尾さんがみつけた石垣島

    いちばん美味しかったものは何ですか?

    早朝の離島ターミナルで買って食べた、スパムと卵のおにぎりサンドみたいなやつです。
    地元感と手作り感を兼ね備え、リーズナブルで美味しい!

    いちばんの絶景ポイントはどこですか?

    石垣島の海底に果てしなく広がる珊瑚礁、『野底マーペー』の頂上で石に寄りかかって見る島の全景。海も陸も、どっちも素晴らしかったです。みんな一度は一体化すべきです!

    お土産、何かいました?

    黒糖バウムクーヘンなどのお菓子や泡盛などのお酒、みんさー織りの小物などなど名産品を片っ端から。極めつけに食べそこねた石垣島の牛肉!今まで行った旅行の中で一番お土産買いました!